【翻訳】野良翻訳:P.G.ウッドハウス著 THE MAKING OF MAC'S/Kちゃん(第2回)
マックファーランドご老大(ヘンリーが言うには)は15年前にその場所で店を始めた。男やもめで、息子が一人と、半分娘と呼んでいいような子がいた。つまり、養女がいたんだ。ケイティという名前で、亡くなった友達の子供だった。息子の名前はアンディ。初めてあった時にはそばかすのある子供だった。あまりしゃべらない子で、ラバみたいに頑固な所があった。その頃よく、奴の頭を殴って用をいいつけたんだが、奴は、他の子みたいに父親の所へ叫びながら走って行くようなことはしないで、ただ何も言わずに言いつけられたことは何にもしなかったんだ。アンディはそんな性格なんだって、だんだんわかってきたよ。だがな、ご老大が遣ってくれたオックスフォード大から戻ってくると、奴は大足の山羊みたいにおしゃべりになってたんだ。ケイティはわしのお気に入りの子だった。わしはケイティが好きだった。みんな好きだったのさ。
マックファーランド老大には大きな強みが2つあった。1つはジュールズで、もう1つはわしだ。ジュールズはパリからやって来て、見たこともないほどすご腕のコックだったよ。そしてわしだがー10年ゲルフでウェイターをやってここへ来て、隠さず言うと、わしがここに品格を加えたんだ。一大決心してソーホーに行ってしまおうと考えたのさ、本当だぜ。ソーホーはわしにはランク落ちっていうわけさ、たぶん、ゲルフのあとじゃな。だが自分に言い聞かせたさ、ソーホーでチップをもらえばたった二ペンスかもしれないが、そっくり懐にはいる。けどゲルフじゃ九千九百ペンスもらったって、チーフウェイターが自分の溌剌としたスタイルを維持するのに消えてしまう。その事を何度も考えてわしはゲルフに別れを告げた。チーフウェイターは、わしが奴のことをまぬけな吸血鬼と呼んだ日に上に苦情を言っていたよ。
(後記)
前回よりは簡単でしたが、ヘンリーの口調はこれでいいのかどうか、いまだに迷っています。
自分で言うような上品なウェイターだったら、普段でも「わし」なんて言わないかも。
あと、語り口調はなるべく抑え気味にしましたが、もっと抑えた方がいいかもしれません。
そして今回、このレストランはどうやらソーホーにあるらしいことが判明しましたね。
ケイティはまだ、名前が出てきただけです。