豆球~闇夜をほのかに照らす~

名前:よしこう。フリーランスとして生きることを決意した男が、社会の片隅で語っていきます。twitter:@jijian0426

【翻訳】野良翻訳:P.G.ウッドハウス著 THE MAKING OF MAC'S/Kちゃん(第4回)

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 ケイティは踊ることが大好きだった。そのことは後になるまで誰も知らなかったが、この間ずっと、そういった学校の一つに通う正式な生徒だったことがわかった。あの娘はそこへ午後に通っていたんだが、みんなは女友達のところへ行っているんだと思っていた。全部後になってわかったんだが、あの娘はあの時わしらをだましていたんだな。女の子っていうのは手練手管にかけちゃあ猿みたいに悪知恵が働くもんだ。ケイティはわしのことをビルおじさんと呼んでいた、ヘンリーっていう名前はいつも売春婦を思い出してしまうからだと言ってたよ。それを言ったのが息子のアンディーの方だったら、一発殴ってやったところだ。だが奴はそんなことは言わなかった。考えてみれば、奴はほとんど無言だったよ。しゃべらずに色々考えていたんだ。
 アンディーが大学に向かうことになったんで、奴に言ってやった、「おい若造、お前はわしらの誇りだ、家に舞い戻ってきたらぶっとばすぞ」それからケイティが言った、「まあ、アンディー、さびしくなるわ」アンディーはわしに何も言わなかったし、ケイティにも何も言わなかった、でも奴はあの娘をちらっと見た。後日ケイティが泣いているのを見たよ、それから歯が痛いと言ったんで、わしは角を歩き回って薬剤師の所へ行き、あの娘に何か持っていってやった。
 アンディーが大学二年生の半ばの時に、老大が脳卒中になって店を続けられなくなった。老大は斧を食らわされたみたいに倒れてしまって、医者はもうずっと寝たきりになるだろうと老大に言ったんだ。
 それでアンディーを呼びにやった。それから奴は大学をやめてロンドンへ戻ってきてレストランをやることになったんだ。
 アンディーが気の毒だった。父親のようにやさしく、あの子にそう言った。アンディーはわしを見て、「ありがとうございます、ヘンリーさん」と礼を言った。

 


(後記)

うーん、上手い!

 

ヘンリーの、マックが倒れてからのアンディーへの態度の変化がいいですね。

 

それにしても、ケイティはヘンリーの目を通してかなりよく描かれていますが、じつは「おじさん殺し」で、うわべだけの愛想がいい、僕が嫌いなタイプの女性のような気がします。

 

ただ、アンディーが去った後の涙の意味はまだ不明ですが。

 

それに比べて、無口なアンディーには訳しながら僕はかなり感情移入してしまいましたね。今後かなりいい奴風に訳してしまうかもしれないことを告白します。

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