【翻訳】野良翻訳:P.G.ウッドハウス著 THE MAKING OF MAC'S/Kちゃん(第9回)
やっぱりすぐ後でアンディーが後ろから顔を出した。ケイティは奴を見て、奴もケイティを見た。アンディーの顔が少し険しくなったようだが、何も言わなかった。すぐにまた姿を消したよ。
ケイティが深いため息をつくのが聞こえた。
「あの人は元気そうね、ビルおじさん」あの娘はわしにやさしくきく。
「全く元気さ」と答えてやる。「ああ、それから、新聞記事は読んだよ。やってやったね」
「あら、やめてよ」と傷ついたみたいな返事。ただ機嫌を取っただけなのに。女の子ってのはむずかしいな。
彼らが勘定を払ってわしにチップをくれた時、ゲルフに舞い戻ったような気がしたよーチーフウェイターのディック・ターピンが上前をはねようとしてそばに立ってはいなかったがなーみんなすぐに失せてしまったんだ。でもケイティはその場に残ってわしに言葉を投げた。「あの人は大丈夫だったかしら、ビルおじさん」
「もちろん!」
「あの、私のこと何か言ってる?」
「何も聞いちゃいないな」
「私のことまだすごく怒ってるんじゃないかしら、ビルおじさん。本当に私のこと何か言ってなかった?」
それで、あの娘を元気づけようとして、奴に見せた新聞記事のことを話してやった。でも元気づけにはならなかった。その後ケイティは出て行ったよ。
また次の日にあの娘は夕食を食べにやってきたんだ、別の男女を連れてな。今度は、ケイティを含めて六人だった。みんなで身を寄せ合ってテーブルに着いたよ、あの娘がジミーとテッドと呼んでいた奴らと二人の女の子とでな。みんなで夕食を食べて、廊下をはさんで冷やかしあっていた、みんなこの上なく上機嫌でなごやかだったな。
「そうだ、ケイティ」男の一人が言うのが聞こえた。「君の言うとおりだ。あいつは入場料を払わなきゃな」
(後記)
アンディー、まだチャンスはありそうだぞ!
それにしても最後、嫌な予感がします。喧嘩の類いの。