豆球~闇夜をほのかに照らす~

名前:よしこう。フリーランスとして生きることを決意した男が、社会の片隅で語っていきます。twitter:@jijian0426

【翻訳】野良翻訳:P.G.ウッドハウス著 THE MAKING OF MAC'S/Kちゃん(第9回)

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 やっぱりすぐ後でアンディーが後ろから顔を出した。ケイティは奴を見て、奴もケイティを見た。アンディーの顔が少し険しくなったようだが、何も言わなかった。すぐにまた姿を消したよ。
 ケイティが深いため息をつくのが聞こえた。
 「あの人は元気そうね、ビルおじさん」あの娘はわしにやさしくきく。
 「全く元気さ」と答えてやる。「ああ、それから、新聞記事は読んだよ。やってやったね」
「あら、やめてよ」と傷ついたみたいな返事。ただ機嫌を取っただけなのに。女の子ってのはむずかしいな。
 彼らが勘定を払ってわしにチップをくれた時、ゲルフに舞い戻ったような気がしたよーチーフウェイターのディック・ターピンが上前をはねようとしてそばに立ってはいなかったがなーみんなすぐに失せてしまったんだ。でもケイティはその場に残ってわしに言葉を投げた。「あの人は大丈夫だったかしら、ビルおじさん」
「もちろん!」
「あの、私のこと何か言ってる?」
「何も聞いちゃいないな」
「私のことまだすごく怒ってるんじゃないかしら、ビルおじさん。本当に私のこと何か言ってなかった?」
 それで、あの娘を元気づけようとして、奴に見せた新聞記事のことを話してやった。でも元気づけにはならなかった。その後ケイティは出て行ったよ。
また次の日にあの娘は夕食を食べにやってきたんだ、別の男女を連れてな。今度は、ケイティを含めて六人だった。みんなで身を寄せ合ってテーブルに着いたよ、あの娘がジミーとテッドと呼んでいた奴らと二人の女の子とでな。みんなで夕食を食べて、廊下をはさんで冷やかしあっていた、みんなこの上なく上機嫌でなごやかだったな。
 「そうだ、ケイティ」男の一人が言うのが聞こえた。「君の言うとおりだ。あいつは入場料を払わなきゃな」

 


(後記)
アンディー、まだチャンスはありそうだぞ!

 

それにしても最後、嫌な予感がします。喧嘩の類いの。

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