豆球~闇夜をほのかに照らす~

名前:よしこう。フリーランスとして生きることを決意した男が、社会の片隅で語っていきます。twitter:@jijian0426

【翻訳】野良翻訳:P.G.ウッドハウス著 THE MAKING OF MAC'S/Kちゃん(第6回)

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「私はー私は舞台に立つの」
 わしは夕刊を下ろした。どういう意味だ? 聞いたか? もちろん聞いたとも。わしをだれだと思っている?
 座っている所からアンディーの顔が見えた、で、問題になるだろうなということがすぐに見てとれた。そのあごははずれんばかりだったよ。言い忘れていたが、老大は亡くなっていた、お気の毒に、たぶん六ヶ月前だ、だからそのときにはアンディーはみかけだけの主人だなくて本当の主人だった。というわけで、自然と、あの子はケイティの保護者みたいに、あの娘の行く末に口出しできるようなものの言い方をしたんだな。ケイテイが今言っている、この舞台の仕事が上手くいくとはわしには思えなかった。アンディーは舞台に賛成じゃなかった。とにかく好きな娘がそんなことをするのに賛成しなかった。そしてアンディーは好きでない時にはそう口にした。
 だからそう口にした。
「君はそんなことはしないさ」
「アンディー、つれないことを言わないで。大きなチャンスなの。なんでそんな意地悪言うの?」
「そんな話はしたくない。君は行かない」
「でも大きなチャンスなの。それにわたしは長年やってきたし」
「やってきたとはどういう意味だ?」
 その時わかったのは、ケイティがこのダンススクールの正規生として通っていたことだった。
 ケイティが話し終えると、アンディーがまた口を開いた。
「君は舞台には行かない」
「でも本当にチャンスなの。昨日マンデルバウムさんに会って、私のダンスを見てもらったわ。そしたらとっても喜んでくれて、自分が手がけている今度の新しい作品でソロダンスをさせてくれるって」
「君は舞台には行かない」
 わしがいつも言っていることだが、思慮を欠いてはいかん。上手に如才なくやれば、人を好きなように操れる。だが人にあごで指図して、命令すると、まあそしたら、言うことをきかずに口答えする。アンディーが上手く頼めば、ケイティもあの子に協力する気は十分あると思っていたが、そうはならなかったんだな。しかし蒸気ハンマーを使ってでもアンディーみたいな若造の頭にそれを叩き込んでおくべきだったんだ。

 


(後記)

うーん。

 

・ケイティ
なんでダンスをやりたいこと、ダンススクールに通っていることを隠していたんですかね。何も悪いことじゃないのに。それでいきなり店をやめたいと言い出す。理解に苦しみますね。ただ、現代では結構やりがちです。

 

・アンディ
この言い方は良くないです。男を下げましたね。まあ上記のことから、頭に血が上るのも無理はありませんが、もう少し冷静になれなかったんでしょうか?

 

・ヘンリー
後からあれこれ言っていますが、ここは「若いお二人さん、明日ゆっくりもう一度話しあったらどうかの?」くらいその場で言えなかったんでしょうか?それこそ如才なさが発揮されてしかるべきでしょう。

 


しかしみんながそんなふうに合理的に行動すると、物語はそこで終わってしまうわけで。

 

難しいですねー。

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