豆球~闇夜をほのかに照らす~

名前:よしこう。フリーランスとして生きることを決意した男が、社会の片隅で語っていきます。twitter:@jijian0426

【翻訳】野良翻訳:P.G.ウッドハウス著 THE MAKING OF MAC'S/Kちゃん(第16回)

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「さあ」とわしは言った、「ここから出よう、息が出来る所へ行くんだ。そんなにしょい込むんじゃない。一緒に来てみんなわしに話してごらん」
 ケイティはわしのいる方へと歩き始めて、とつぜんよろけるのが見えた。それでわしは手を取ってわしの部屋へと連れて行き、椅子に座らせた。
「さてと」とわしはまた言う。
「怒らないでね、ビルおじさん」とケイティは言う。
 それからケイテイはかわいそうな様子でわしを見るので、ケイティの方へ行って体に腕を回し、背中をやさしくたたいてやるんだ。
「心配するな、かわいい娘」わしは言う、「誰も怒ったりするもんか。でも、頼むから」と続ける、「いったいなんでこんな馬鹿なことをしたのかいってごらん」
「全部終わらせたかったの」
「でもどうして?」
 ケイティは、子供のようにまた泣き出した。
「新聞を読まなかったの? ビルおじさん」
「新聞に何て書いてあった?」
「怪我のことよ。前にリハーサルでかかとを痛めたの、新しいダンスを練習していてね。お医者さんはもう直らないって。もう踊れないのよ。いつもよろけるの。まっすぐ歩けもしないのよ。そのことを考えると......アンディ......全部......私は......」
 わしは自分の足下を見た。
「それは、それは」わしは言った。「それはそれは! 知らなくて悪かった。でもこんなことはするな。ばからしい。待っててごらん、三十分ひとりにしていてもこんなことはしないよな。約束してくれ」
「いいわ、ビルおじさん。どこへ行くの?」
「ああ、ちょっとな。すぐに戻ってくる。座って休んでいなさい」
 タクシーに乗って十分もしないうちにレストランに着いた。アンディーが後ろの部屋にいるのが見えた。
「ヘンリー、どうしたんですか?」と言う。
「これを見ろ」とわしが答える。


(後記)
急展開の続きですね。

 

アンディーが出てきたので、この後の結末は大体読めますが。

 

でも、この場合は、その方がいいような気もしますね。

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