豆球~闇夜をほのかに照らす~

名前:よしこう。フリーランスとして生きることを決意した男が、社会の片隅で語っていきます。twitter:@jijian0426

【翻訳】野良翻訳:P.G.ウッドハウス著 THE MAKING OF MAC'S/Kちゃん(第12回)

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 日が経つにつれ、わしはアンディーの若造が腹に据えかねてきた。奴はディナーが急にはやったどんな奴よりもうけていた。しかもケイティがいなかったらそんなにははやらなかったことを、よくわかっていた。考えればわかるだろうが、人間誰でもそのことに感謝して、許してやったり忘れてやったり、ケイティが来たら足を運んで丁寧な言葉をかけたりするもんだ。でもそうじゃなくて、奴はただ歩き回ってむっとした顔であたりを見渡していたんだ。ところがある夜、奴は出て行ってきっちりとやるんだな。
 その夜店は満員で、ケイティも来ていて、ピアノも演奏されていた。みんな楽しんでいて、ピアノを弾いている若者がケイティがショーで踊った曲を演奏し始めた。人気の曲だったよ。「ラン、タン、タン、ティドル、イドゥル、アム」そんな感じさ。で、若者が演り始めると、みんな手やテーブルを叩き初めてケイティに立ち上がって踊るようにと大声で言ったのさ。ケイティは踊った、中央の空いてる場所でな。でも踊り出すとすぐにアンディーの奴がやって来たんだ。
 奴は何か言いたげにケイティのところへ行った。ちょうど二人の隣のテーブルにほこりがあるのが見えたんで、わしは行って払い出した。だから運のいいことに、全部聞いてしまったんだな。
 アンディーはとても静かに、ケイティに言った、「ここでそんなことをしないでくれ。ここをどこだと思っている?」
 ケイティはアンディーに言った、「まあ、アンディー」
「君のおかげだよ」奴は言った、「君が起こしてくれたような問題はね。でももういいんだ。君が好意でここを見世物小屋にしなくてもマックファーランドの店は上手くいってるさ」
 確かに奴の店は儲かっているさ! 時々わしは、感謝っていうのは過去の遺物でこの世界は自尊心の高いがらがらへびには住みづらい所だと思うね。
「アンディー!」ケイティが言う。
「もうたくさんだ。言い争いはしたくない。ここに来て食事するのはかまわないさ、止めやしない。でもこの店をナイトクラブにするつもりはないんだ」
 そんなことは聞いたことがない。まともな神経の持ち主じゃなきゃ、わしは奴を見ていたところだ。

 

 

(後記)
やっと佳境に入ってきましたね。

 

「君が起こしてくれたような問題」は、今回のことと店を急に出て行ったことをかけているんでしょうが、訳し方が難しかったので直訳調になってしまいました。

 

しかし、ケイティはずいぶんおとなしいですね。ウッドハウスに出てくる女性は大概エキセントリックで強気なキャラクターなので、何か言い返すかと思いました。

 

実はケイティは本当にいい娘なのかもしれません。

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